代々木クリニック

アトピー治療30年以上の実績、代々木駅徒歩1分

03-3374-7291

代々木駅西口徒歩1分

医療コラム

2026.10.20

秋になると肌がかゆい?花粉・ダニ・乾燥による皮膚トラブルとアトピー悪化の対策

秋になると肌がかゆい?花粉・ダニ・乾燥による皮膚トラブルとアトピー悪化の対策

暑い夏が終わり、過ごしやすい秋になったのに、なぜか肌がかゆい。

顔や首に赤みが出る、目の周りがかさつく、アトピー性皮膚炎が悪化した――そんな経験はありませんか?

秋の皮膚トラブルには、空気の乾燥だけでなく、秋の花粉、衣替えに伴うダニやハウスダストへの曝露など、複数の要因が関係している可能性があります。

特にアトピー性皮膚炎の方では、皮膚のバリア機能が低下しているため、こうした環境の変化がかゆみや湿疹の悪化につながることがあります。

今回は、秋に注意したい皮膚トラブルの原因と、日常生活でできる対策について解説します。

花粉症といえば春のスギやヒノキを思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、秋にも花粉が飛散します。代表的なのが、ブタクサやヨモギなどのキク科植物です。

花粉によるアレルギー症状は、くしゃみや鼻水、目のかゆみだけではありません。

花粉が皮膚に付着することで、顔や首などの露出部にかゆみや赤み、湿疹が生じる場合があります。

特に、目の周りや頬、首などは症状が現れやすい部位です。

アトピー性皮膚炎の方では、皮膚のバリア機能が低下しているため、花粉などの外部刺激の影響を受けやすい場合があります。

花粉の飛散時期に一致して、顔や首の湿疹が悪化する場合には、花粉が悪化因子となっている可能性も考えられます。

ただし、顔の赤みやかゆみがすべて花粉によるものとは限りません。

化粧品や日焼け止めによる接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎など、別の疾患が関係していることもあります。

症状が続く場合は、原因を適切に見極めることが大切です。

秋になって長袖の衣類や厚手の寝具を取り出した際、くしゃみが出たり、肌がかゆくなったりすることはありませんか?

長期間収納していた衣類や寝具には、ほこりやダニ由来のアレルゲンなどが付着している場合があります。

衣替えの際にこれらが舞い上がると、鼻炎や喘息などのアレルギー症状を引き起こすことがあります。

また、ダニに感作されているアトピー性皮膚炎の方では、ダニアレルゲンへの曝露が湿疹の悪化に関係する場合もあります。

ダニは一般に高温多湿の環境で増殖しやすく、夏に増えたダニの死骸やふんなどのアレルゲンが、秋にも室内に残っていることがあります。

そのため、秋にダニそのものが急増するというよりも、蓄積したアレルゲンへの曝露が問題になる場合があります。

収納していた衣類や寝具を使用する前には、次のような対策を心がけましょう。

  • 長期間収納していた衣類は、必要に応じて洗濯してから使用する
  • 寝具は製品の表示に従って洗濯・乾燥させる
  • 衣替えの際には換気を行い、ほこりが舞い上がらないようにする
  • 寝室や寝具周辺を定期的に清掃する

なお、収納場所に湿気が多い場合には、衣類や寝具にカビが発生することもあります。保管中の湿度管理にも注意しましょう。

秋から冬にかけて気温や湿度が下がると、皮膚の乾燥が目立つようになります。

皮膚の最も外側にある角層には、体内の水分が失われるのを防ぎ、外部からの刺激やアレルゲンの侵入を抑える働きがあります。

しかし、乾燥によって角層の水分が失われると、皮膚のバリア機能が低下し、刺激を受けやすくなります。

アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能の低下に加え、免疫反応などによる慢性的な炎症が関与しています。

乾燥によってかゆみが増し、皮膚を掻くことでさらにバリア機能が傷つくという悪循環に陥ることがあります。

「乾燥する → かゆくなる → 掻いてしまう → 炎症が悪化する」

この悪循環を防ぐためには、早めの保湿と、必要に応じた抗炎症治療が重要です。

秋冬のスキンケアでは、皮膚の乾燥が強くなる前から保湿を習慣にしましょう。

特に入浴後は、皮膚の水分が失われやすいため、早めに保湿剤を塗布することが大切です。

保湿剤には、ヘパリン類似物質製剤やワセリンなど、さまざまな種類があります。

使用感や皮膚の状態に合わせて、無理なく継続できるものを選びましょう。

ただし、赤みや湿疹が強い場合、保湿剤だけでは炎症を十分に抑えられないことがあります。

その場合には、症状に応じた外用治療が必要です。

保湿は皮膚のバリア機能を支えるケアであり、炎症がある場合には、その炎症を適切に治療することも重要です。

秋になると、ウールのセーターや厚手の衣類を着る機会が増えます。

しかし、衣類の素材や縫い目、摩擦などが刺激となり、かゆみが増す場合があります。

特に首元や肘の内側など、衣類が繰り返し触れる部位は注意が必要です。

肌に直接触れる衣類には、刺激の少ない素材を選ぶとよいでしょう。

また、気温が下がっても、暖房の効いた室内や重ね着によって汗をかくことがあります。

汗も人によってはかゆみの悪化因子となるため、暑くなりすぎないよう衣類を調整しましょう。

空気が乾燥する季節には、加湿器を使用するのも一つの方法です。

家庭では、室内の相対湿度40〜50%程度を実用的な目安とし、湿度計を使って確認するとよいでしょう。

ただし、加湿のしすぎには注意が必要です。

湿度が高い状態が続くと、ダニやカビが増えやすくなります。また、窓や壁の結露もカビの発生につながります。

ダニやカビに感作されている方では、こうした室内アレルゲンが症状に関係する場合があります。

加湿器を使用する際には、タンクの水を毎日交換し、メーカーの取扱説明書に従って定期的に清掃しましょう。

乾燥を防ぐことと、加湿しすぎないことの両方が大切です。

加湿器の衛生管理については、別のコラム「その加湿器、大丈夫?掃除不足によるカビ・細菌とアレルギーの関係」でも詳しく解説しています。

秋になるたびに湿疹が悪化する場合には、乾燥だけでなく、花粉やダニ、衣類による刺激など、複数の悪化因子が重なっている可能性があります。

まずは日々の保湿や、処方された外用薬を適切に使用することが基本です。

一方、外用治療を行っていても、強いかゆみや広範囲の湿疹が続く場合には、治療の見直しが必要なことがあります。

アトピー性皮膚炎の治療には、外用療法に加え、症状や重症度に応じて生物学的製剤などの選択肢もあります。

代々木クリニックでは、患者さんの皮膚症状や生活への影響を確認しながら、適切な治療を検討しています。

季節の変わり目に症状を繰り返す方も、お気軽にご相談ください。

秋の肌のかゆみやアトピー性皮膚炎の悪化には、主に次のような要因が関係する場合があります。

  • ブタクサやヨモギなど、秋の花粉
  • 衣替えに伴うダニ・ハウスダストへの曝露
  • 気温や湿度の低下による皮膚の乾燥
  • 衣類の摩擦や、重ね着による汗などの刺激

大切なのは、乾燥対策だけに偏らず、ご自身の症状に関係する悪化因子を見極めることです。

保湿や室内環境の調整を行っても、かゆみや湿疹が続く場合には、皮膚科専門医にご相談ください。

権東 容秀 医師

監修医師

権東 容秀 医師

東京医科大学卒。形成外科・皮膚科医師。専門はアトピー性皮膚炎、創傷外科、熱傷、美容一般。

  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本形成外科学会 領域指導医
  • 日本形成外科学会 皮膚腫瘍分野指導医
  • 日本皮膚科学会 専門医
  • 日本熱傷学会 専門医
  • 日本創傷外科学会 専門医