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医療コラム

2026.03.31

面疔(めんちょう)とは?原因・症状・ニキビとの違いや治し方を解説

面疔(めんちょう)とは?原因・症状・ニキビとの違いや治し方を解説
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※本コラムは医療情報の提供を目的とした一般的な解説記事です。
記載されている治療法・医薬品・注射等のすべてを当院で実施しているわけではありません。
当院で実施している診療内容・施術可否・費用等の詳細は「診療科目」ページをご確認いただくか、直接お問い合わせください。

鼻や眉間に赤く腫れたできものができて、「これはニキビとは違うかもしれない」と不安を感じたことはありませんか?

触ると硬いしこりのような感触があり、ズキズキとした痛みを伴う場合、それはニキビではなく面疔(めんちょう)と呼ばれる皮膚の感染症かもしれません。

面疔は黄色ブドウ球菌という細菌が毛穴の深い部分で増殖することで発症し、ニキビとは原因菌もお薬による治療法も異なります。

この記事では面疔の症状や原因、ニキビ・粉瘤との見分け方から、市販薬を使ったセルフケアや皮膚科での治療法、日常生活でできる予防策まで、一般の方にもわかりやすく解説していきます。

面疔(めんちょう)とは、毛穴の奥深くに細菌が入り込んで強い炎症を起こす皮膚感染症の一種です。

医学的には「癤(せつ)」と呼ばれる状態が顔にできたものを指し、一般的には「おでき」という名称でも知られています。

見た目がニキビに似ているため混同されやすいですが、原因となる細菌が異なるため治療のアプローチも変わってきます。

ここでは面疔の定義やできやすい部位について、基本的な情報を確認していきましょう。

面疔は、毛嚢炎(もうのうえん)が悪化して皮膚の深い部分にまで炎症が広がった「癤(せつ)」の一種です。

毛嚢炎とは、毛穴の内側で毛を包んでいる「毛包(もうほう)」の浅い部分に細菌が感染した状態を指します。

毛嚢炎の段階では小さな赤い膿疱ができる程度にとどまり、通常は数日ほどで自然に治まるとされています。

しかし感染が毛包の深い部分にまで及ぶと、硬いしこりを伴う「癤」へ進行する可能性があります。

さらに複数の毛包へ炎症が拡大した状態は「癰(よう)」と呼ばれます。

癤のなかでも顔面にできたものを特に面疔と呼びます。

ニキビだと思って放置していたできものが実は面疔だったというケースも少なくないため、数日以上改善しない場合は早めの対処が大切です。

面疔は、鼻先や眉間、あごといった顔の中心部にできやすい傾向があります。

これらの部位は「Tゾーン」と呼ばれ、皮脂の分泌が活発で毛穴の詰まりが起きやすい環境です。

鼻の周辺には面疔の原因菌である黄色ブドウ球菌が特に多く常在しており、感染のリスクが高い部位としても知られています。

また鼻はハンカチで押さえたり手で触れたりする機会が多いため、皮膚に小さな傷がつきやすい場所でもあります。

こうした条件が重なることで、細菌が毛穴の奥へ侵入して増殖しやすくなると考えられています。

顔の中心部に赤く硬いできものが突然現れて痛みを伴う場合は、ニキビではなく面疔の可能性も考慮して対処しましょう。

面疔の症状はニキビよりも強く現れることが多く、見た目だけでなく痛みや熱感を伴うのが大きな特徴です。

初期段階では赤い腫れが目立つ程度ですが、進行すると硬いしこりや膿がたまった状態へと変化していきます。

症状の段階によって対処法が変わるため、今の状態がどの程度なのかを把握しておくことが重要です。

以下では面疔の代表的な症状について、段階ごとに解説していきます。

面疔の最も目立つ症状は、顔の中心部にドーム状に盛り上がった赤いしこりができることです。

毛穴の奥深くで細菌が繁殖して炎症を起こしているため、触れると硬い感触があり、軽く押しただけでもズキズキとした強い痛みを感じます。

ニキビが小さなポツポツとして複数できるのに対して、面疔は1つだけ大きく腫れ上がるケースが大半です。

数mm〜数cm程度の大きさになることもあり、患部の周囲にも赤みが広がる場合があります。

加えて患部に熱感を伴うことも多く、触ると周囲の皮膚よりも明らかに温かいと感じるのが特徴的な症状です。

顔にできた腫れが単発で痛みや熱感を伴っている場合は、ニキビよりも面疔を疑ったほうがよいでしょう。

面疔が進行すると、数日〜数週間かけてしこりが徐々にやわらかくなり、内部に膿がたまった「膿瘍(のうよう)」の状態へ移行します。

膿瘍になると患部の中心がじゅくじゅくとした見た目に変化し、自然に膿が排出されることもあります。

膿が出ると痛みや腫れが急速に改善する場合もありますが、治癒後に跡が残りやすい点には注意が必要です。

さらに炎症が複数の毛包へ広がって「癰(よう)」になると、強い痛みに加えて微熱や全身の倦怠感といった症状が出ることもあります。

このような全身症状が現れるケースはまれですが、免疫力が低下している方や糖尿病などの基礎疾患がある方では重症化しやすいとされています。

膿がたまって腫れが強くなってきた場合は、自己判断でのケアを続けず早めに医療機関を受診しましょう。

面疔は顔にできる皮膚感染症ですが、その発症にはいくつかの要因が関わっています。

原因となる細菌の種類や、細菌が感染しやすくなる状況を理解しておくことで、適切な予防や対処につなげられます。

ここでは面疔が発症するメカニズムと、感染のリスクを高める具体的な要因について確認していきましょう。

面疔の主な原因菌は、黄色ブドウ球菌という細菌です。

黄色ブドウ球菌は皮膚や鼻腔、腸管などに常在しており、健康な状態であれば通常は感染症を引き起こしません。

しかし皮膚に小さな傷ができたり毛穴が詰まったりすると、そこから細菌が毛包の奥深くへ侵入して増殖する場合があります。

黄色ブドウ球菌はニキビの原因となるアクネ菌よりも病原性が強いため、感染すると炎症の程度が大きくなりやすい傾向にあります。

まれに表皮ブドウ球菌や溶血性レンサ球菌といった別の細菌が原因となるケースも報告されています。

面疔とニキビでは原因菌が異なるため、有効なお薬の種類も変わってくる点を覚えておきましょう。

黄色ブドウ球菌が毛穴に侵入しやすくなる背景には、皮膚への物理的なダメージや免疫機能の低下があります。

カミソリを使った髭剃りやムダ毛の自己処理は皮膚に微小な傷をつけやすく、面疔の代表的な誘因の一つとされています。

ニキビを無理に潰す行為も毛穴周辺の皮膚を傷つけるため、そこから黄色ブドウ球菌が感染してめんちょうに発展するケースも少なくありません。

加えて睡眠不足やストレスの蓄積、栄養バランスの乱れなどによって免疫力が低下すると、細菌への抵抗力が弱まって感染しやすくなります。

糖尿病などの基礎疾患がある方やステロイド外用薬を長期間使用している方も、面疔が発症しやすい傾向にあると報告されています。

日ごろから肌を清潔に保つとともに、生活習慣を整えて免疫力を維持することが感染予防の基本となります。

顔にできる赤い腫れものには面疔以外にもニキビや粉瘤(ふんりゅう)など、さまざまな疾患があります。

見た目が似ているため自己判断で区別するのは難しいケースも多いですが、原因や症状の特徴を知っておくと受診の目安をつけやすくなります。

ここでは面疔と混同されやすいニキビ・粉瘤について、それぞれとの違いを整理していきましょう。

面疔とニキビの最大の違いは、原因となる細菌の種類です。

面疔の原因菌は主に黄色ブドウ球菌であるのに対して、ニキビはアクネ菌の増殖によって引き起こされます。

発症パターンにも明確な差があり、ニキビは思春期を中心に同じ場所で繰り返しできるのに対し、面疔は突然単発で現れることが大半です。

症状の面では、ニキビは白い角栓や小さな赤い膨らみとして複数現れるケースが多い一方、面疔は1つの大きなしこりとして腫れ上がり、より強い痛みや熱感を伴います。

加えてニキビには毛穴の中に芯(角栓)がありますが、面疔には芯が見られない点も見分けるポイントになります。

赤いできものが硬く腫れて数日経っても改善せず、触るだけで強い痛みがある場合は面疔の可能性を考え、皮膚科への受診を検討しましょう。

面疔と間違われやすいもう一つの疾患が、粉瘤(ふんりゅう)です。

粉瘤は「アテローム」とも呼ばれ、皮膚の内側に袋状の構造物ができて、そのなかに角質や皮脂がたまっていく良性腫瘍です。

面疔が細菌感染による急性の炎症であるのに対して、粉瘤は時間をかけてゆっくり大きくなるという経過の違いがあります。

また粉瘤の中心部には黒い点のような開口部が見られることが多く、強く押すとにおいのある粘り気のある物質が出るのも特徴です。

粉瘤に細菌感染が加わると赤く腫れて痛みを伴う「炎症性粉瘤」になり、見た目が面疔とさらに似てくるため、自己判断での区別は難しくなります。

顔のできものが面疔なのか粉瘤なのか迷った場合は、医療機関で適切な診断を受けることをおすすめします。

項目面疔ニキビ粉瘤
原因黄色ブドウ球菌の感染アクネ菌の増殖袋状構造物に角質が蓄積
発症パターン突然・単発繰り返し・複数ゆっくり成長
見た目大きく赤いしこり小さなポツポツしこり(中心に黒点)
痛み強い軽度〜中程度通常なし(炎症時は強い)
芯の有無なしあり(角栓)なし(袋の内容物あり)

面疔ができると膿を出して早く治したいという気持ちから、自分で潰そうとする方は少なくありません。

しかし面疔を自己判断で潰す行為には、症状の悪化だけでなく深刻なリスクが伴う場合があります。

ここでは面疔を潰してはいけない理由と、かつて「死に至る病」と恐れられた背景について正しい情報を確認していきましょう。

面疔を自分で無理に潰す行為は、症状を悪化させる大きな原因となります。

潰す際に周囲の皮膚を傷つけることで、黄色ブドウ球菌がさらに広がり炎症が拡大する可能性があるためです。

加えて不衛生な手や道具で患部に触れると、新たな細菌が侵入して二次感染を引き起こすリスクも高まります。

膿を無理に排出すると腫れが一時的に引くことはありますが、完全な治癒までに3週間〜1か月ほどかかるケースもあると報告されています。

炎症が皮膚の深い部分まで及んでいた場合、治癒後にクレーター状の跡や色素沈着として残る可能性も否定できません。

面疔ができた場合はむやみに触らず、清潔を保ちながら適切なお薬の使用や医療機関の受診を優先しましょう。

面疔は昔、「顔のおできは命に関わる」と恐れられていた疾患です。

鼻や眉間の周辺は薄い骨を隔てて脳と近接しており、細菌が血管を通じて脳内(海綿状脈洞)へ到達すると髄膜炎や脳炎を引き起こす危険性があるためです。

抗生物質が十分に普及していなかった時代には、実際にめんちょうから重篤な感染症に発展して命を落とすケースも存在しました。

現在は抗菌薬による治療が確立されているため、適切に対処すれば命に関わるような事態になることはほぼありません。

ただし免疫力が著しく低下している方や高齢の方では、重症化のリスクが完全になくなるわけではない点は認識しておく必要があります。

過度に恐れる必要はありませんが、面疔は放置せず早めに対応することが安全な治癒への近道です。

面疔の治療は症状の程度によってアプローチが異なります。

軽症であれば市販薬でのセルフケアが選択肢になりますが、腫れや痛みが強い場合は医療機関での専門的な治療が必要です。

面疔は皮膚の深い部分で炎症が起きているため、塗り薬だけでは十分な効果が得られないケースもあります。

ここでは症状の段階に応じた治し方を3つに分けて解説していきます。

面疔が初期段階で赤みや痛みが比較的軽い場合は、市販の抗菌薬入り外用薬で対処できる可能性があります。

市販薬を使用する際は患部を清潔に保ち、綿棒などを使って塗布するのがおすすめです。

数日使用しても改善がみられない場合や、そもそも面疔かどうか判断がつかない場合は、自己判断を続けず皮膚科を受診してください。

面疔の腫れや痛みが強い場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けることが基本となります。

面疔は皮膚の深い部分で炎症を起こしているため、塗り薬だけでは病巣に有効成分が十分に届きにくいとされています。

皮膚科では主にセフェム系などの抗生物質の内服薬が処方され、原因菌の増殖を体の内側から抑える治療が行われます。

腫れがひどくない場合は抗生物質を5〜7日間服用することで症状が改善するケースが多いと報告されています。

膿瘍を伴うほど悪化している場合は1週間以上の服用が必要になることもあり、治癒までに数週間を要する場合もあります。

顔のできものが硬く腫れて痛みが増している場合は、早い段階で皮膚科専門医のいる医療機関を受診することが回復への近道です。

面疔が進行して膿が大量にたまった状態では、抗生物質の投与に加えて切開排膿の処置が行われることがあります。

切開排膿とは、局所麻酔のうえで患部を小さく切開し、内部にたまった膿を排出する治療法です。

膿を取り除くことで患部の圧力が下がり、痛みや腫れが速やかに軽減することが期待できます。

処置後は抗菌薬の投与と傷口の洗浄を継続しながら、経過を観察していきます。

なお適切に抗生物質で治療を進めていれば、切開排膿が必要になるほど悪化するケースはまれです。

異変を感じた段階で早めに受診すれば、お薬の服用だけで改善できる可能性が高まります。

面疔は一度治っても、原因となる黄色ブドウ球菌は皮膚の常在菌であるため、再発する可能性がある疾患です。

日々の生活習慣を見直すことで細菌感染のリスクを減らし、面疔の発症を予防することにつながります。

ここでは日常生活で実践できる2つの予防ポイントをお伝えしていきます。

面疔の予防でまず大切なのは、顔の皮膚を清潔な状態に保つことです。

毎日の洗顔では刺激の少ない洗顔料を使って汚れや余分な皮脂をやさしく洗い流しましょう。

黄色ブドウ球菌は鼻の周辺に特に多く存在するため、手で鼻を触る癖がある方は意識的に改めることが予防につながります。

髭剃りやムダ毛処理の際はカミソリの刃を清潔に保ち、肌を傷つけないよう丁寧に扱うことも重要です。

ニキビを自分で潰す行為は毛穴を傷つけて面疔の原因になり得るため、控えるようにしてください。

皮膚への物理的なダメージを減らすことが、黄色ブドウ球菌の侵入を防ぐうえで最も効果的な対策といえます。

面疔は免疫力が低下しているときに発症しやすくなるため、日々の体調管理が予防の柱となります。

十分な睡眠をとることは免疫機能の維持に欠かせない要素です。

栄養バランスのよい食事を心がけ、ビタミンやタンパク質など皮膚のバリア機能を支える栄養素を意識的に摂取しましょう。

また過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、免疫力の低下を招く要因になり得ます。

運動や入浴でかいた汗は放置するとアルカリ性に傾き、黄色ブドウ球菌が増殖しやすい環境をつくるため、速やかに洗い流すことが大切です。

規則正しい生活習慣を続けることが皮膚のバリア機能と免疫力を高め、面疔を含むさまざまな皮膚感染症の予防につながります。

Q

面疔(めんちょう)とニキビはどう見分けますか?

A

面疔は黄色ブドウ球菌、ニキビはアクネ菌が原因であり、原因菌が異なります。
見た目の違いとして、ニキビは小さなポツポツが複数できるのに対し、面疔は1つの大きなしこりとして現れ、触ると強い痛みを伴うのが特徴です。
赤く硬い腫れが数日以上改善せず痛みが続く場合は、面疔の可能性があるため皮膚科への受診をおすすめします。

Q

面疔は自分で潰しても大丈夫ですか?

A

面疔を自分で潰す行為は避けてください。
無理に膿を排出すると周囲に炎症が広がったり、二次感染を引き起こしたりするリスクがあります。
跡が残る原因にもなるため、膿がたまっている場合は医療機関で切開排膿の処置を受けることが安全です。

Q

面疔に効く市販薬はありますか?

A

抗菌成分を含む外用薬のなかには、効果・効能欄に「めんちょう」と記載された市販薬があります。
炎症が軽度であれば市販の塗り薬で改善が期待できますが、面疔は皮膚の深い部分の感染であるため、塗り薬だけでは十分に対処できないケースもあります。
症状が改善しない場合は早めに皮膚科を受診し、内服の抗生物質による治療を検討しましょう。

Q

面疔ができたら何科を受診すればよいですか?

A

面疔ができた場合は皮膚科を受診するのが基本です。
皮膚科では視診や膿の培養検査を行い、原因菌を特定したうえで適切な抗菌薬を処方してもらえます。
赤みや腫れが広がっている場合や、痛みが強くて日常生活に支障がある場合は、できるだけ早く受診してください。

面疔(めんちょう)とは、毛嚢炎が悪化して「癤(せつ)」の状態になったものが顔面にできた皮膚感染症です。

原因菌は主に黄色ブドウ球菌であり、ニキビの原因であるアクネ菌とは異なるため、治療に必要なお薬の種類も変わってきます。

鼻先や眉間、あごなど顔の中心部に赤いしこりができて強い痛みや熱感を伴う場合は、面疔の可能性を考慮しましょう。

自分で潰す行為は症状の悪化や跡が残る原因となるため、絶対に避けてください。

軽症であれば抗菌成分配合の市販薬で対処できる場合もありますが、腫れや痛みが強いときは皮膚科での内服治療が基本となります。

日ごろから顔を清潔に保ち、免疫力を維持する生活習慣を心がけることが面疔の予防につながります。

症状がつらい場合は自己判断で様子を見続けず、できるだけ早く皮膚科専門医のいる医療機関を受診してください。

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