形成外科や皮膚科は、見た目の悩みだけでなく、痛み・かゆみ・出血など幅広く対応が可能です。
皮膚科と形成外科の違いも確認しながら、いぼやシミ・しわなどの治療方法について見ていきましょう。
受診先の目安(皮膚科と形成外科)
- 皮膚科:診断、飲み薬・塗り薬、光線療法などの内科的治療が中心。
- 形成外科:切除・縫合・レーザーなど外科的処置や傷あと(瘢痕)を考えた治療計画が得意。顔・まぶた・唇・鼻周りなど、目立つ部位や機能に関わる部位は形成外科が向くことが多いです。
どちらに行けば良いのか迷ったら、まずはどちらでも構いません。必要に応じて適切なご案内を医師がしてくれます。
では、それぞれの症状について見ていきましょう。
いぼ(ウイルス性いぼ・加齢のいぼなど)
受診した方がよいサイン
- 2~3か月以上ほとんど変わらない、または数や大きさが増える。
- 痛み・出血・割れがある、歩く・握るなど日常動作で支障がある。
- 顔・目の周り・爪まわり・陰部などデリケートな部位にある。
- 糖尿病・妊娠中・免疫を抑える薬を使用中で治りにくい、広がりやすい。
- 市販ケアで悪化、正体に不安がある(いぼに見えてほくろ・皮膚がんなどの可能性も)。
病院でできること
液体窒素(冷凍凝固)、外用薬、電気焼灼や切除などから部位と目的に合う方法を提案。形成外科で傷跡を最小にする切除・縫合が可能です。
シミ(色素斑・肝斑など)
受診した方がよいサイン
- 新しく出た/短期間で濃く・大きく・形が変わる。
- 色がむらになっている、出血・かゆみ・じくじくがある。
- 日焼け止めや美白ケアを続けても改善が乏しい。
- 妊娠・内服薬・ホルモン変化などで見分けが難しいとき。
病院でできること
ダーモスコピーなどで「シミか、そうでないか」をまず見極めます。治療は外用(ハイドロキノン・トレチノイン等)や内服(トラネキサム酸・ビタミンC等)、レーザー・光治療、生活ケアの見直しなど。黒く盛り上がる・輪郭が不整・急な変化は早めに受診を。
しわ
受診した方がよいサイン
- 表情をゆるめても刻まれた線が残る、スキンケアだけでは追いつかない。
- 表情じわ(動かした時に出る)か、たるみじわ(常に出る)か判断が難しい。
- 写真やオンライン会議で毎日気になってつらい。
病院でできること
原因を分けて、ボツリヌス治療(表情じわ)、ヒアルロン酸(溝のボリューム補正)、肌質治療やスキンケアの再設計などをリスク・費用・持続期間と一緒に相談。形成外科では全体のバランスを踏まえ、やりすぎない自然さも含めて提案します。
たるみ
受診した方がよいサイン
- フェイスライン・ほうれい線・まぶたの下がりが目立つ、写真写りがつらい。
- マッサージや美顔器では変化が乏しい。
- 皮膚の余りで視界が狭い/口角の荒れなど機能に影響が出ている。
病院でできること
HIFU(高密度超音波)、糸リフト、レーザー、必要に応じて手術的な引き上げまで選択肢を比較。ダウンタイム・効果の持続・コストを一緒に検討し、生活との両立まで含めて計画します。
小さな外科的皮膚病変(ほくろ・粉瘤〔アテローム〕・脂肪腫・皮膚線維腫・血管腫、陥入爪 など)
受診した方がよいサイン
- 痛み・腫れ・赤み・膿がある、においがする、服や下着にこすれて出血する。
- 急に大きくなる/形がいびつ/色が変わる、治りかけても繰り返す。
- 顔・まぶた・唇・鼻・指など目立つ部位、仕事や学校で気になる。
- 1か月以上治らない傷や盛り上がりが続く。
病院でできること
局所麻酔での日帰り切除・くり抜き、感染があれば先に抗生剤や切開排膿、必要に応じて病理検査で確定診断。形成外科では縫合の方向・糸・抜糸時期まで配慮し、傷あとケアもセットで考えます。医療的必要性があれば保険適用、美容目的は自費になることが多いです。
いますぐ受診した方がいい“赤信号”
- 急に大きく変化する、黒く不規則で出血する病変。
- 激しい痛み・発熱・急速な腫れなど感染の疑い。
- 目・唇・陰部など機能に関わる部位のトラブル。
※夜間や休日は救急外来の利用も検討してください。
受診をスムーズにするコツ
- 変化が分かる写真(初めて気づいた日/最近)を持参。
- 内服薬・アレルギー・既往歴のメモ。
- 顔の相談はノーメイクまたは拭き取り可能な状態で。