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医療コラム
やけどは、熱湯・油・金属・蒸気・薬品・電気などで皮膚やその下の組織が傷つくけがです。
怖いのは、見た目より深く進むことがある点と、放置で感染や跡・ひきつれが残る点になります。
とくに子どもや高齢者は重症化しやすいため、正しい冷却と早めの病院への受診が回復と跡の出方を左右します。
やけどの種類を正しく理解しておくことが、適切な応急処置や受診判断につながり、跡を残さず治すための第一歩になります。
上から症状の軽い順で、重症の3度熱傷は直ちに救急外来の受診が必要です。
種類 | 見た目・深さ | 痛み/水ぶくれ | 治癒の目安 | 痕のリスク・受診目安 |
1度熱傷 | 表皮のみ。赤く乾燥、押すと白くなる | 痛みあり/水ぶくれなし | 3〜7日で自然に改善 | 痕は基本残らない。広範囲・乳幼児は受診、小範囲は受診推奨 |
浅達性2度熱傷(浅い2度) | 表皮〜真皮浅層。赤〜ピンクで湿ったつや | 強い痛み/水ぶくれあり | 1〜2週で多くは治癒 | 色素沈着が残ること。要受診 |
進達性2度熱傷(深い2度) | 真皮深層。白っぽい・まだら、しわ様 | 痛みは弱め/水ぶくれ破れやすい | 3週以上。しばしば遷延 | 瘢痕・ひきつれリスク高。早期受診 |
3度熱傷 | 皮膚全層〜皮下。白/黒/褐色で硬い(革様) | 感覚低下/水ぶくれ目立たず | 自然治癒まで数か月を要す | 手術(植皮)が必要なことも、早期に受診 |
やけどをしたときに皮膚科を受診すべきかどうかは、症状の程度によって判断します。
水ぶくれができている、強い痛みがある、赤みが広がっている場合や、顔・手・足・性器・関節などにできたやけどは、早めに皮膚科・形成外科を受診しましょう。
さらに、数センチ以上の広さや手のひら1枚分以上の範囲に及ぶ場合、また24〜48時間で悪化したり、ジュクジュクしたり発熱を伴う場合も受診が必要です。
乳幼児や高齢者、糖尿病などの持病がある方は特に注意が必要になります。
一方、皮膚が白く硬い、黒く焦げたように見える重いやけどや、化学薬品・高圧電気によるやけど、煙を吸って呼吸が苦しいといった場合は救急受診が適切です。
逆に、小さな範囲で水ぶくれのない軽いやけどなら自宅で経過を見られますが、迷ったときは皮膚科・形成外科で相談することをおすすめします。