代々木クリニック

アトピー治療30年以上の実績、代々木駅徒歩1分

03-3374-7291

代々木駅西口徒歩1分

医療コラム

キーワード:帯状疱疹(たいじょうほうしん)

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった「水ぼうそう」のウイルスが体の中に潜んでいて、疲れや加齢、強いストレスなどをきっかけに再び活動を始めることで起こります。
 
皮膚に強い痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯のように広がるのが特徴です。
 
特に50歳を過ぎると発症が増えてきます。
 
早めに治療を始めるほど治りが早く、後遺症として残る神経の痛み(帯状疱疹後神経痛)の予防にもつながります。
 

帯状疱疹の特徴と詳細

 
帯状疱疹は「水ぼうそう」と同じウイルスが体の中で再び動き出すことで起こります。
 
多くの場合、体の片側にだけ症状が出て、神経に沿ってヒリヒリ・チクチクするような痛みを感じたあと、1〜3日ほどで赤い発疹や小さな水ぶくれが現れます。
 
胸や背中に出ることが多いですが、目や耳のまわりなど顔に出ることもあります。
 
水ぶくれは1〜2週間ほどでかさぶたになりますが、炎症が強いと痛みだけが長く続き、「帯状疱疹後神経痛」として残ってしまうことがあります。
 
発症のきっかけには、免疫力の低下、疲れや寝不足、糖尿病、がんの治療などがあります。
 
さらに、水ぶくれの中にはウイルスが含まれているため、水ぼうそうにかかったことのない人(妊婦さんや小さな子ども、免疫力が弱っている人など)にうつす可能性があります。
 
発疹は衣服やガーゼで覆い、直接触れないようにすることが大切です。
 

帯状疱疹の治療方法と薬

 
帯状疱疹の治療では、できるだけ早く抗ウイルス薬を飲み始めることが大切です。
 
使われる薬には、バラシクロビル、アシクロビル、ファムシクロビルなどがあります。
 
理想は発疹が出てから72時間以内に始めることですが、発疹が広がり続けている場合や顔に出た場合、高齢の方では、多少遅れても効果が期待できます。
 
強い痛みがあるときは、解熱鎮痛薬(アセトアミノフェンやNSAIDs)が使われます。
 
さらに必要に応じて、神経の痛みに効く薬(プレガバリンやガバペンチン)が使われることもあります。
 
顔面神経麻痺や耳の症状(ラムゼイ・ハント症候群)がある場合は、専門的な治療が必要です。
 
皮膚のケアでは、泡立てた石けんでやさしく洗い、乾いた清潔なガーゼで覆うとよいでしょう。
 
水ぶくれは自分で潰さずに保護することが大切です。再発や神経痛を予防する方法としては、50歳以上の方に帯状疱疹ワクチンも選択肢にあがります。
 

帯状疱疹で早急に皮膚科の受診が必要な場合は?

 
次のような症状が出たときは、できるだけ早く病院を受診してください。夜間であれば救急を利用するのが安心です。
 
まず、目のまわりや額、鼻の先に発疹が出たり、目の痛みや見えにくさがある場合は、角膜に障害が起きている可能性があります。
 
耳の痛みや耳のまわりの発疹、顔のゆがみ、聞こえにくさ、めまいがある場合は「ラムゼイ・ハント症候群」という重い合併症が疑われます。
 
さらに、高い熱や強いだるさがある、発疹が広い範囲や両側に広がっているときも要注意です。
 
また、持病がある方、薬の影響で免疫が弱い方、妊娠中の方、小さな子どもと接する機会が避けられない場合も、早めの受診が必要です。痛みが強くて眠れない、発疹がどんどん増えて化膿しているときも同様です。
 
受診までの間は、発疹をガーゼなどで覆い、触ったあとは必ず手を洗ってください。処方された薬は自己判断でやめず、指示通りに飲み続けることも大切です。