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医療コラム
食べ物アレルギーは理論上は、ほぼすべてのたんぱく質を含む食品で起こり得るとされています。
日本の表示制度でも、必ず表示が必要な特定原材料8品目(卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに・くるみ)に加え、表示が推奨される「特定原材料に準ずるもの」20品目が定められており、注意対象は少なくとも計28品目あります。
代表的な食べ物アレルギーの食品は以下の通りです。
食品 | 主な年齢層 | 主な症状 | 注意点 |
卵 | 乳幼児に多い | じんましん、嘔吐、湿疹の悪化 | 加熱で軽くなることも。加工食品に広く使用 |
牛乳 | 乳幼児に多い | 湿疹、嘔吐・下痢、血便 | ヨーグルト・チーズ等でも反応あり |
小麦 | 乳幼児〜学童 | じんましん、喘鳴
湿疹の悪化 |
運動で重症化(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)に注意 |
そば | 学童〜成人 | 急速な全身症状 | 少量でも重症化しやすい。外食での誤食に注意 |
落花生(ピーナッツ) | 学童〜成人 | じんましん、咳・呼吸困難 | 微量で発症、加工菓子・バター類に注意 |
木の実(くるみ等) | 学童〜成人 | 強いアレルギー反応 | 複数ナッツに感作しやすい |
甲殻類(エビ・カニ) | 成人に多い | 口腔違和〜全身反応 | 加熱しても残ることあり |
魚・魚卵 | 幅広い | じんましん、腹痛 | 加工品にも含まれる。生食は注意 |
大豆 | 幅広い | 口腔違和、蕁麻疹 | 加工形態(豆乳など)で反応差 |
果物(キウイ・バナナ・モモ・リンゴ等) | 成人に多い | 口腔アレルギー(口・喉のかゆみ) | 花粉との交差反応。加熱で軽くなることあり |
ごま | 成人に多い | 強い蕁麻疹〜全身反応 | ペースト(ごまだれ)などで摂取量が増えやすい |
接触皮膚炎は、皮膚に触れた物質が原因で生じる湿疹です。
大きく刺激性(洗剤や汗・擦れなど物理化学的刺激で起こる)と、アレルギー性(ニッケル・香料・防腐剤・ゴム成分などに感作されて起こる)の2種類があります。
アレルギー性は触れてから数時間〜2日ほど遅れて赤み・かゆみ・小水疱が出現し、触れた部位に一致して広がるのが特徴です。
症状が長引くと、肌が乾燥してゴワゴワ硬くなったり、厚くなったりすることがあります。
原因となるのは、マスクや眼鏡、化粧品、ヘアカラー、手指の消毒液など、私たちの日常生活でよく使う身近なものです。
何度も同じような症状を繰り返す場合は、どの物質が原因かを調べるアレルギー検査(パッチテスト)を受けることで、原因を特定できることがあります。
食べ物アレルギー:特定の食品に含まれるたんぱく質に体の免疫が過敏に反応して起こります。
食べた直後から蕁麻疹(じんましん)やかゆみ、吐き気や腹痛が出ることがあり、重い場合には呼吸が苦しくなったり、血圧が下がる危険な症状につながることもあります。
体質的な要因や肌の弱さ、花粉症との関連(口の中や喉のかゆみなど)、運動やお酒によって症状が強くなることもあります。
接触皮膚炎:皮膚に触れた物質が原因で炎症が起こるものです。洗剤や金属、化粧品などに触れると数時間から数日後に赤みやかゆみ、小さなブツブツが出ることがあります。
湿った環境や摩擦、長時間の使用(手荒れやマスクの着用など)で悪化しやすいのも特徴です。
いずれの場合も自身の炎症を調整する免疫やホルモンバランスが崩れると普段よりも出やすくなります。
食べ物アレルギーの場合は、まず原因となる食べ物を避け、食品表示をしっかり確認することが基本です。
症状が出たときには、かゆみや蕁麻疹(じんましん)には抗アレルギー薬を、皮膚の赤みや湿疹には塗り薬や保湿剤が使われます。
過去に強い症状を起こしたことがある方は、緊急時に使う「アドレナリン自己注射(エピペン®など)」を持ち歩くことが勧められます。
また、学校や職場など周囲の人とも対処法を共有しておくと安心です。体質改善を目的とした治療(経口免疫療法)は、専門の医師と相談して行うことになります。
接触皮膚炎:まず原因となる物質に触れないことが一番の対策です。症状が強いときは塗り薬で炎症を抑え、落ち着いたら保湿や肌のバリアを守るケアを続けます。
再発を繰り返したり、顔やまぶた、手などに広く症状が出る場合、仕事や生活に支障がある場合は皮膚科の受診が必要です。
さらに、息苦しさや喉の腫れ、意識がもうろうとするなど重い症状が出た場合は、ためらわずにすぐに救急車を呼んでください(119)。