代々木クリニック

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医療コラム

キーワード:いぼ

「いぼ」は、皮膚にできる小さな「できもの」の総称です。

 

原因はさまざまで、ウイルス感染(いわゆるウイルス性いぼ)、加齢や紫外線による変化(脂漏性角化症)、こすれでできる皮膚の突起(スキンタッグ)、子どもに多い「水いぼ」などがあります。

 

多くは良性ですが、まれに皮膚がんに似た病変が混じることもあるため注意が必要です。自己流で削る・潰すと悪化や感染拡大の原因になるため、まずは種類の見極めが大切になります。

 

「いぼ」の種類

 

同じ「いぼ」でも、原因や治療がまったく異なります。以下のポイントを意識して表をご覧ください。

  • 原因の違い:感染性(尋常性疣贅・水いぼ)か、非感染性(脂漏性角化症・アクロコルドン・汗管腫・ミリウムなど)か。
  • 見た目・触り心地:色(肌色〜褐色〜黒)、表面(ザラザラ/平ら/光沢)、角のように硬いか。
  • できる部位と年齢:手足に多いか、顔・首・まぶたに多いか、子どもに多いか。
  • 増え方:短期間で急に増える/家族・兄弟にうつって広がる(感染性の示唆)。
  • 症状:痛み・かゆみ・出血・引っかかりの有無。
  • 危険サイン:急速な増大、不規則な色むらや出血、硬い“角”(皮角)などは要受診。

 

種類 主な部位・年齢 特徴 治療方法 注意点
尋常性疣贅(ウイルス性いぼ) 手・足、子ども〜若年に多い ヒトパピローマウイルス感染による固い白いブツブツ。表面がザラザラ。 液体窒素、トリクロロ酢酸、長期不変例は外科的切除 感染性があるためタオルや爪切りを共有しない。放置で増えることも。
脂漏性角化症(老人性いぼ) 中高年、頭・顔・首 褐色〜黒色、平べったい盛り上がり。しみやホクロに似ることも。 液体窒素、CO₂レーザー、手術による切除 良性だが、急な増大や色むらは悪性腫瘍との区別が必要。
アクロコルドン(スキンタッグ・軟性線維腫) 首、脇、摩擦部位、中高年に多い 小さな肌色の突起。根元に細い茎があることも。 茎があるものはハサミ切除、平坦型はCO₂レーザーなど 液体窒素では色素沈着を残しやすい。美容的に気になる場合は早めに除去。
水いぼ(伝染性軟属腫) 小児に多い、体幹・四肢 光沢ある2〜5mmの白〜ピンクの丘疹。接触で広がる。 自然治癒が多い。掻いて広がる場合はピンセット除去 感染性あり。タオル・プールで広がる。学校出席停止は不要だが施設で制限も。
汗管腫 青年〜成人女性に多い。まぶた周囲、額、頬 汗腺の増殖による米粒大の肌色〜淡褐色のブツブツ CO₂レーザー焼灼 皮膚の奥にあり再発しやすい。深追いすると凹み跡に。
ミリウム(稗粒腫) 顔(まぶた・おでこ・こめかみなど) 角質がたまってできる米粒大の白〜肌色の粒。 小切開して内容物を圧出 外傷ややけど後にもできる。自然に消えることもある。
皮角 高齢者の顔・手背に多い 皮膚が角のように硬く伸びる。 切除して病理検査 良性が多いが、日光角化症や皮膚がんのこともあるため早期受診が重要。

 

病院の受診が推奨される「いぼ」の特徴は?

 

顔やまぶた、首、陰部、爪の周りや足の裏などデリケートな場所にできたもの、痛みや出血を伴うものは受診がおすすめです。

 

また、数がどんどん増える、家族や兄弟にうつる「水いぼ」や「ウイルス性いぼ」が疑われる場合も注意しましょう。

 

特に、短期間で急に大きくなったり、黒っぽい色や不規則な形をしていたり、角のように硬く伸びる「皮角」の場合は、まれに皮膚がんが隠れていることもあるため早急に受診しましょう。

 

自己流で削ったり潰したりすると悪化や跡の原因になるため、迷ったら皮膚科で正確な診断と治療を受けることが安心です。