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医療コラム

キーワード:水虫(白癬(はくせん))

水虫の病名は白癬(はくせん)といいます。

 

感染症の一種で、白癬菌(はくせんきん)が足や手の指や足の裏、爪などに感染してかゆみや炎症などを引き起こすのです。

 

足、手、爪以外にも体のどの部位にも付着します。

足白癬

 

足白癬の種類 詳細
足指の間(趾間型) 水虫の中で最も多いタイプ。第四趾間(薬指と小指の間)に最もよくできやすいのも特徴のひとつです。

足趾の間の皮膚が湿ってふやけたようになりジュクジュクする「湿潤型」と、

皮が薄くむけ赤くなったり、ひどい場合は皮膚に亀裂が入ったりする「乾燥型」に分けられます。

足の裏・フチ・指の付け根(小水疱型) 指の付け根や足の裏、足のふちなどに、小さな水ぶくれ(小水疱)ができる水虫です。

かゆみは必須ではありません。2次感染を起こして腫れ上がる事があり注意が必要。

かかと(角質増殖型) 足の裏全体、かかとの角質層が厚く皮膚が硬くなった部分が粉をふいたような状態になります。

 

水虫は家庭内に一人患者がいると、かなり高い確率で周りの人へもうつってしまう病気です。

 

自分のためにはもちろん、周りの人への感染を防ぐためにも、早急な治療を心掛けましょう。

 

検査は検体を採取し薬品を加える直接鏡検(顕微鏡での検査)KOH法で行い、5分程度で結果が出ます。

 

足白癬の治療方法と注意点

 

足白癬(水虫)の治療は、抗真菌薬の塗り薬を根気よく続けることが基本です。

 

かゆみや皮むけが治まっても菌が残っていることがあるため、途中でやめずに1〜3カ月ほど毎日塗り続けることが大切です。

 

また、再発や家族への感染を防ぐためには、足を清潔・乾燥した状態に保つこと、靴やタオルを共有しないことなど、生活上の注意も欠かせません。

 

塗り薬は足指の間や足の裏、かかとまで広く塗るようにし、最低でも1カ月は続けるのが目安です。

 

ただし、抗真菌薬は人によって刺激で赤みやかゆみが出ることがあるため、異常を感じたら自己判断せずに医師に相談してください。

 

湿った環境では菌が繁殖しやすいため、靴は毎日同じものを履かず、しっかり乾燥させて使うことが大切です。さらに、家族にうつさないために、タオルやバスマットの共用は避けるようにしましょう。

 

【爪白癬】

 

爪白癬は爪に白癬菌が感染して発症します。

 

ほとんどの症例で、すでに足白癬を患っており、足から爪へ白癬菌がうつりすんだものです。

 

爪白癬の種類 詳細
遠位・側縁部爪甲下型 爪の先が厚ぼったくなり、黄色や白色に変色してしまうタイプです。
白色表在型 爪の表面に白い膜をつくるタイプです。
近位部爪甲下型 爪の根元から侵されるタイプです。
全層異形成型 爪の全体が変形してしまうタイプです。

 

検査は、足の水虫と同じように爪から少し検体を取り、薬品を加えて顕微鏡で観察します。この方法(KOH法)では、約10分ほどで結果がわかります。

 

ただし、爪の水虫(爪白癬)は皮膚に比べて菌を見つけにくいのが特徴です。爪の中に入り込んだ菌は形が不揃いで判定が難しいことも多いため、検査で「陰性」と出ても、症状が続いてなかなか治らない場合には、再検査が必要になることがあります。

 

爪白癬の治療方法

 

爪白癬(水虫が爪に入り込んでしまう病気)の治療には、内服薬(飲み薬)と外用薬(塗り薬)の2つがあり、症状や体の状態に応じて使い分けます。

 

足の水虫は塗り薬で治せることが多いですが、爪は薬が届きにくいため、飲み薬や浸透力の強い専用の塗り薬が必要です。

 

爪はゆっくりしか伸びないため、治療には半年から1年以上かかることもあるのが特徴です。

爪白癬の薬

 

内服薬(飲み薬) テルビナフィン:1日1錠を約6カ月続けます。

ホスラブコナゾール:1日1回を約3カ月続けます。

どちらも肝臓に負担がかかることがあるため、治療前や治療中には定期的な血液検査が必要です。妊娠中や授乳中の方は原則使用できず、薬の飲み合わせにも注意が必要です。

 

・塗り薬

・エフィナコナゾール

・ルリコナゾール

 

飲み薬が使えない方や、症状が軽い場合には、浸透力の高い塗り薬が使われます。ただし、刺激で赤みやかゆみが出やすいため、必ず爪だけに塗り、皮膚についてしまった場合はすぐに拭き取る必要があります。

 

爪白癬は時間がかかる病気で、放置すると周囲の爪や家族にも広がることがあります。爪や皮膚に原因不明の赤みやかゆみ、かさつきが長引く場合は、自己判断せずに早めに皮膚科で検査・治療を受けましょう。