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2026.03.31
「秋になってもくしゃみや鼻水が止まらないけれど、スギ花粉は春だけじゃないの?」と疑問に感じたことはありませんか?
実はスギ花粉は秋にもわずかながら飛散しており、11月を中心に10月〜12月にかけて観測されることがあります。
さらに秋は、ブタクサやヨモギなどの雑草花粉が8月〜10月にかけて本格的に飛散する時期でもあり、スギ花粉症の方の約70%が秋にもアレルギー性鼻炎の症状を経験しているといわれています。
秋の花粉症は「風邪」と間違えやすく、原因に気づかないまま放置すると症状が慢性化したり、喘息に進展するおそれもあるため注意が必要です。
この記事では、スギ花粉の秋飛散の仕組みから、秋の花粉症の原因・症状・対策までをわかりやすく解説していきます。
秋に体調の変化を感じている方はぜひ参考にしてください。
Contents
花粉症といえば春のイメージが強いかもしれませんが、スギ花粉は秋にも少量ながら飛散していることがわかっています。
北海道を除く地域では、10月〜12月にかけてスギ花粉が観測されており、特に11月をピークとするわずかな飛散が確認されています。
ここでは、なぜ秋にスギ花粉が飛ぶのか、その仕組みについて詳しく見ていきましょう。
スギの雄花は、毎年6月から10月にかけて形成され、11月上旬には花粉が熟成して「休眠」と呼ばれる状態に入ります。
休眠した雄花は、冬の低温にさらされることで少しずつ目覚める準備を始めます。
そして春になり気温が上昇すると一斉に開花し、大量の花粉を飛散させるのが通常のサイクルです。
つまり、秋の時点ですでにスギの花粉は完成した状態になっており、何らかのきっかけがあれば飛散する準備が整っているといえます。
前年夏の日照時間が長く気温が高かった年は雄花の量が増えるため、翌春だけでなく秋の飛散量にも影響する可能性があります。
秋に観測されるスギ花粉の量は、翌春の飛散量を予測する手がかりにもなっています。
通常であれば、スギの雄花は11月上旬に休眠に入り、春まで花粉を飛ばすことはありません。
しかし、秋の気温が異常に高い場合、雄花が休眠に入らずにそのまま開花してしまう「狂い咲き」と呼ばれる現象が起こることがあります。
狂い咲きは11月を中心に発生し、10月から12月にかけてわずかなスギ花粉が観測される原因のひとつです。
近年は地球温暖化の影響で秋の気温が高くなる年が増えており、狂い咲きが起こりやすい気象条件が続いています。
狂い咲きによる飛散量は春と比べるとごく少量であるため、すべてのスギ花粉症の方に症状が出るわけではありません。
ただし、花粉に対する感受性が高い方は秋から症状が現れることがあるため、毎年秋口に鼻水やくしゃみが出る方はスギ花粉の影響も視野に入れておくとよいでしょう。
全国各地の花粉観測データによると、北海道を除く地域で10月から12月にかけて少量のスギ花粉が観測されています。
飛散のピークは11月ごろで、春のピーク時と比べると飛散量は非常に少なく、花粉情報として報道されることもほとんどありません。
そのため、秋にスギ花粉が飛んでいることを知らない方も多いのが現状です。
ただし花粉症の症状は、ごく少量の花粉であっても体が敏感に反応すれば発症する可能性があります。
「秋なのに花粉症のような症状が出る」と感じている方は、スギ花粉の秋飛散が原因かもしれません。
秋の不調を風邪だと決めつけず、一度アレルギー検査を受けてみることで原因をはっきりさせられるでしょう。
秋にアレルギー症状を引き起こす花粉は、スギ花粉だけではありません。
8月〜11月にかけては、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの雑草花粉が飛散し、多くの方が花粉症に悩まされています。
ここでは、秋の花粉症の主な原因となる植物の特徴と飛散時期について解説していきます。
ブタクサはキク科の一年草で、秋の花粉症の代表的な原因植物です。
日本で最初に報告された花粉症は、実は1961年のブタクサ花粉症であり、スギ花粉症よりも歴史が古いとされています。
ブタクサの花粉は8月下旬から10月にかけて飛散し、河川敷や空き地、道端などの身近な場所に多く自生しています。
ブタクサ花粉の大きな特徴は、スギ花粉の約半分(18〜20μm)と粒子が非常に小さいことです。
粒子が小さいぶん気管支の奥まで入り込みやすく、鼻水やくしゃみに加えて、せきや喘息のような気管支症状を引き起こすことがあります。
日本人のブタクサ陽性率は約11〜20%と報告されており、自覚がないまま症状が出ている方も少なくないと考えられています。
ヨモギはブタクサと同じキク科の植物で、9月〜10月に花粉の飛散がピークを迎えます。
河川敷や道端、公園などに広く自生しており、ブタクサよりも繁殖力が旺盛なため生育面積が広く、飛散する花粉量もブタクサより多い場合があります。
ヨモギ花粉の飛散距離は数十メートル程度で、スギのように数十キロメートルも飛ぶことはありません。
ヨモギ花粉症で注意したいのが、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)と呼ばれる交差反応です。
ヨモギ花粉にアレルギーがある方は、ニンジン・セロリ・レタス・キウイなどの食品を摂取した際に、口や唇のかゆみ・腫れといった症状が出ることがあります。
秋に花粉症の症状があり、特定の果物や野菜を食べると口の中に違和感が出る方は、ヨモギ花粉症の可能性があるため医療機関で検査を受けてみてください。
秋の花粉症の原因は、ブタクサとヨモギだけにとどまりません。
アサ科のつる植物であるカナムグラは、9月〜10月にかけて花粉を飛散させ、河川敷やフェンスに絡みつくように生育しています。
カナムグラの花粉もブタクサやヨモギと同様に飛散距離が短いため、生えている場所を避けることで花粉への接触を大幅に減らすことが可能です。
また、イネ科の植物(カモガヤ・ススキなど)は春から秋にかけて長期間にわたって花粉を飛ばし続けており、10月ごろまで飛散が続きます。
春のスギ・ヒノキの飛散が終わっても花粉症状が続いている方は、イネ科の花粉が原因となっている可能性があります。
どの花粉が原因かを正確に特定するためには、医療機関でのアレルギー検査(血液検査やドロップスクリーン検査)が有効です。
春にスギ花粉症と診断された方のなかには、「秋にもなぜか花粉症のような症状が出る」と感じている方がいるかもしれません。
これにはいくつかの理由があり、単なる偶然ではなく体の免疫反応に関わる明確なメカニズムが存在します。
ここでは、スギ花粉症の方が秋にも症状が出やすい3つの理由を解説していきます。
スギ花粉症の方のうち、約70%が季節を問わずアレルギー性鼻炎の症状を経験しているというデータがあります。
春のスギ花粉シーズンだけでなく、秋にも鼻水やくしゃみが出る方は、秋に飛散するブタクサやヨモギなどの花粉に反応している可能性が高いと考えられます。
一度花粉症を発症すると、体の免疫システムがアレルゲンに対して過敏な状態になるため、他の花粉にも反応しやすくなる傾向があります。
「自分はスギ花粉症だけ」と思い込んでいても、実は複数のアレルゲンに感作されているケースは珍しくありません。
秋にもアレルギー症状が出る方は、スギ花粉以外のアレルゲンについてもアレルギー検査で調べておくと、年間を通じた対策が立てやすくなるでしょう。
スギ花粉症の方がブタクサ花粉にも反応しやすい理由のひとつに、アレルゲンの構造的な類似性があります。
研究によると、スギ花粉のアレルゲンとブタクサ花粉のアレルゲンはタンパク質の構造がよく似ており、理論上スギ花粉症患者の40〜70%程度がブタクサ花粉にも反応する可能性が示唆されています。
これは「交差反応」と呼ばれる現象で、体がスギ花粉に対して作ったIgE抗体が、構造の似たブタクサ花粉にも反応してしまうために起こります。
そのため、秋にブタクサが飛散する時期になると、スギ花粉症の方がくしゃみや鼻水などのアレルギー症状を経験する場合があります。
春のスギ花粉症だけだと思っていた方が、秋にも同様の症状に悩まされる背景には、このような免疫反応の仕組みが関わっています。
秋に花粉症のような症状が出る場合、花粉だけでなくハウスダストが原因となっている可能性も考えられます。
夏の高温多湿な環境で大量に繁殖したダニは、秋になると気温の低下に伴い死滅していきます。
しかし、ダニの死骸やフンは非常に軽く、人の動きや空気の流れで簡単に舞い上がり、鼻や気管に吸い込まれてアレルギー症状を引き起こします。
花粉症とダニアレルギーの症状は非常に似ているため、自分では原因を判断しにくいのが実情です。
外出時だけでなく室内にいるときも症状が強く出る場合は、ダニやハウスダストが原因の可能性が考えられます。
アレルギー検査を受けることで、花粉とダニのどちらが原因かを正確に特定でき、それぞれに合った対策を取ることができます。
秋の花粉症は、鼻水やくしゃみなど春と共通する症状が多い一方で、春にはあまり見られない特徴的な症状もあります。
特に秋はブタクサ花粉の粒子が小さいことから、気管支への影響が出やすいとされています。
ここでは、秋の花粉症に特徴的な症状と春との違いについて詳しく解説します。
秋の花粉症が春と大きく異なる点は、せきや喘息のような気管支症状が出やすいことです。
春のスギ花粉は粒子径が約30〜40μmと比較的大きいため、鼻の粘膜に留まりやすく、鼻水やくしゃみが主な症状となります。
一方、秋の代表的な花粉であるブタクサの粒子径は約18〜20μmとスギの約半分で、鼻の粘膜を通過して気管支の奥まで入り込むことがあります。
そのため、ブタクサ花粉症では鼻炎症状に加えて、乾いたせきが長引いたり、呼吸がゼーゼーと苦しくなる喘息様の症状が現れるケースがあります。
「秋になると風邪でもないのにせきが止まらない」という方は、ブタクサ花粉症の可能性があるため注意が必要です。
せきが2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診して原因を調べることをおすすめします。
秋の花粉症でも、鼻水・くしゃみ・鼻づまり・目のかゆみといったアレルギー性鼻炎の基本的な症状は春と同様に現れます。
ブタクサやヨモギの花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体内でヒスタミンが放出され、くしゃみや鼻水、目の充血やかゆみが生じる仕組みです。
秋の花粉症の鼻水は春と同じく透明でサラサラとしたタイプが多く、この点で風邪の粘り気のある鼻水とは区別できます。
また、花粉皮膚炎として顔や首に赤みやかゆみが出る場合や、喉のイガイガとした違和感が現れることもあります。
春の花粉症と同じ症状が秋にも繰り返し出る場合は、秋花粉に対するアレルギーを持っている可能性が高いといえます。
「毎年秋になると調子が悪くなる」というパターンがある方は、季節性のアレルギーを疑って検査を受けてみると安心です。
秋は気温が下がり風邪が流行り始める時期と花粉の飛散時期が重なるため、花粉症なのか風邪なのか判断に迷うことが少なくありません。
花粉症の鼻水は透明でサラサラとしていますが、風邪の鼻水は時間が経つと黄色や緑色に変化し、粘り気が増していきます。
くしゃみの出方にも違いがあり、花粉症のくしゃみは発作的に何回も連続するのに対し、風邪では1〜2回程度で治まるのが一般的です。
発熱については、花粉症では基本的に発熱はなく、出ても37度台の微熱にとどまります。
外出時や屋外で過ごしたあとに症状が悪化する場合は花粉症の可能性が高く、室内でも症状が変わらない場合は風邪やハウスダストアレルギーの可能性があります。
自分で判断がつかないときは、内科や耳鼻咽喉科を受診して、アレルギー検査を受けることで原因を正確に特定できます。
秋の花粉症の症状を軽くするには、花粉との接触をできるだけ減らすことが基本です。
秋花粉はスギやヒノキと異なり飛散距離が短いため、原因植物に近づかないだけでも高い予防効果が期待できます。
ここでは、外出時・マスク選び・室内環境の3つの観点から秋の花粉対策を解説していきます。
秋の花粉対策で最も効果的なのは、原因となる植物が生えている場所に近づかないことです。
ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの雑草花粉は、飛散距離が数メートルから数十メートルと非常に短いのが特徴です。
スギ花粉のように数十キロメートルも飛ぶことはないため、植物の近くに行かなければ花粉を大量に浴びるリスクを大幅に減らせます。
河川敷や空き地、公園の草むら、道端の雑草が多い場所は秋花粉の発生源となりやすいため注意が必要です。
通勤・通学路や散歩コースにこれらの植物が多い場合は、花粉シーズンの間だけでもルートを変えることを検討してみてください。
自宅の庭やその周辺にブタクサやヨモギが生えている場合は、花が咲く前の時期に除草しておくと花粉の飛散を未然に防ぐことができます。
秋の花粉症対策にもマスクは有効ですが、ブタクサ花粉の粒子はスギ花粉より小さいため、マスクの選び方に注意が必要です。
一般的な花粉用マスクは約30μm以上の粒子をカットするフィルターを使用しており、粒子径が約18〜20μmのブタクサ花粉はすり抜けてしまう可能性があります。
症状がひどい場合は、PM2.5やウイルスにも対応した高密度フィルターのマスクを選ぶと、ブタクサ花粉をより効果的にブロックできます。
マスクと合わせて花粉症用のメガネを着用すれば、目に入る花粉も減らすことが可能です。
帽子をかぶることで髪への花粉の付着を防ぐ効果も期待できます。
外出時は「マスク・メガネ・帽子」の3点セットを基本として、花粉との接触を最小限に抑えましょう。
外出先で衣類や髪に付着した花粉を室内に持ち込まないことも、秋の花粉症対策として重要です。
帰宅したらまず玄関先で上着や帽子の花粉をしっかり払い落としてから室内に入りましょう。
手洗い・うがいに加えて洗顔も行い、肌に付着した花粉を落とすことで鼻や目の症状を軽減できます。
室内では、HEPAフィルター付きの空気清浄機を活用すると、花粉だけでなく秋に増加するダニの死骸やハウスダストの除去にも効果的です。
洗濯物は花粉の飛散が多い時期にはできるだけ室内干しにし、布団は乾燥機を使用するのがおすすめです。
また、寝具やカーペットのこまめな掃除を行うことで、花粉とハウスダストの両方を減らし、快適な室内環境を維持できるでしょう。
秋にもスギ花粉は飛んでいますか?
はい、北海道を除く地域では10月〜12月にかけて少量のスギ花粉が観測されています。
秋の高温によるスギの「狂い咲き」が主な原因で、11月をピークにわずかな量が飛散します。
飛散量は春に比べるとごく少量ですが、スギ花粉に敏感な方は秋にも症状が出る可能性があるため注意が必要です。
スギ花粉症の人は秋にも症状が出ますか?
スギ花粉症の方の約70%が、季節を問わずアレルギー性鼻炎の症状を経験しているとされています。
秋にはブタクサやヨモギの花粉が飛散しており、スギ花粉とアレルゲンの構造が似ているため交差反応で症状が出やすい傾向があります。
秋にもアレルギー症状が続く方は、一度アレルギー検査を受けて原因を特定することをおすすめします。
秋の花粉症は何科を受診すればいいですか?
鼻水やくしゃみなどの鼻症状が強い場合は耳鼻咽喉科、目のかゆみが中心の場合は眼科を受診すると適切な治療を受けられます。
せきが長引く場合は呼吸器内科の受診も選択肢になります。
どの症状が主体か迷う場合は、まず内科を受診すれば幅広く対応してもらうことが可能です。
秋の花粉症の原因はアレルギー検査でわかりますか?
血液検査やドロップスクリーン検査によって、どの花粉やアレルゲンに反応しているかを調べることができます。
スギ・ブタクサ・ヨモギ・ダニなど複数のアレルゲンを一度に検査できるため、秋の不調の原因が花粉なのかハウスダストなのかを正確に特定できます。
検査結果をもとに自分のアレルゲンを把握しておくと、年間を通じた効果的な対策が立てられるでしょう。
スギ花粉は春だけでなく秋にもわずかに飛散しており、10月〜12月にかけて「狂い咲き」により少量の花粉が観測されています。
秋はブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの雑草花粉も8月〜10月に飛散するため、複数の花粉が原因でアレルギー症状が出る可能性があります。
スギ花粉症の方の約70%が秋にも症状を経験しており、アレルゲンの構造的な類似性による交差反応やダニ・ハウスダストとの重複も原因として考えられます。
秋の花粉症はブタクサ花粉の粒子が小さいため、せきや喘息のような気管支症状が出やすい点が春との大きな違いです。
秋花粉は飛散距離が短いため、原因植物が生えている場所を避けること、高密度マスクの使用、帰宅後の花粉除去が効果的な対策になります。
秋に花粉症のような症状が続く方は、風邪と決めつけずに医療機関でアレルギー検査を受けて、原因に合った適切な治療を始めてください。
代々木クリニックでは、患者様一人ひとりの症状に合わせた花粉症治療をご提案しています。
当院は皮膚科・アレルギー科を専門としており、鼻や目の症状だけでなく、花粉皮膚炎など肌への影響にも対応可能です。
「毎年春になると肌荒れがひどくなる」「目の周りがかゆくてつらい」といった皮膚症状でお悩みの方も、お気軽にご相談ください。
花粉症の症状は我慢せず、適切な治療を受けることで、日常生活の質を大きく改善できます。
花粉シーズン前からの早めの受診がおすすめです。
つらい症状にお悩みの方は、ぜひ一度ご来院ください。
東京医科大学卒。形成外科・皮膚科医師。専門はアトピー性皮膚炎、創傷外科、熱傷、美容一般。
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