代々木クリニック

アトピー治療30年以上の実績、代々木駅徒歩1分

03-3374-7291

代々木駅西口徒歩1分

医療コラム

2026.02.06

花粉症の人がトマトを食べると口がかゆい?原因と対処法を解説

花粉症の人がトマトを食べると口がかゆい?原因と対処法を解説
Warning

※本コラムは医療情報の提供を目的とした一般的な解説記事です。
記載されている治療法・医薬品・注射等のすべてを当院で実施しているわけではありません。
当院で実施している診療内容・施術可否・費用等の詳細は「診療科目」ページをご確認いただくか、直接お問い合わせください。

スギ花粉症の方が生のトマトを食べて、口の中がかゆくなったり喉がイガイガしたりした経験はありませんか。

実はスギ花粉のアレルゲンとトマトに含まれるタンパク質の構造がよく似ているため、体が花粉と勘違いしてアレルギー反応を起こすことがあります。

この症状は「花粉食物アレルギー症候群(PFAS)」と呼ばれ、スギ花粉症の方の約10人に1人がトマトを食べると口腔内に症状が出ると報告されています。

多くは軽い症状で自然に治まりますが、まれに重症化するケースもあるため注意が必要です。

この記事では、花粉症とトマトの関係や症状が出る理由、加熱すれば食べられるのか、症状が出たときの対処法などをわかりやすく解説します。

「トマトを食べると何となく違和感がある」「避けた方がいいのか判断できない」という方は、ぜひ参考にしてください。

スギ花粉症の方が生のトマトを食べると、口の中がかゆくなることがあります。

これは偶然ではなく、花粉とトマトのアレルゲンに共通点があることが原因です。

スギ花粉に含まれるアレルゲン(アレルギーを引き起こすタンパク質)と、トマトに含まれるタンパク質の構造がよく似ていることがわかっています。

スギ花粉症の方は、体内にスギ花粉に反応する抗体(IgE抗体)を持っています。

生のトマトを食べると、トマトのタンパク質に対してこの抗体が「スギ花粉が入ってきた」と誤認し、アレルギー反応を起こしてしまうのです。

このように、本来は別の物質なのに似た構造のために免疫が反応してしまう現象を「交差反応」と呼びます。

スギ花粉症の方の約10人に1人が、トマトを食べると口腔内にアレルギー症状が出ると報告されています。

花粉症の方が特定の野菜や果物を食べてアレルギー症状を起こす病態を「花粉食物アレルギー症候群(PFAS)」といいます。

症状が口や喉の粘膜に限られることが多いため「口腔アレルギー症候群(OAS)」とも呼ばれています。

PFASは乳幼児期に多い食物アレルギーとは異なり、学童期から成人にかけて発症することが多いのが特徴です。

花粉症を発症してから数年後にPFASを発症するケースもあり、近年患者数が増加しています。

スギ花粉症とトマトの組み合わせ以外にも、シラカンバ花粉症とリンゴ・モモ、ブタクサ花粉症とメロン・スイカなど、さまざまな花粉と食品の組み合わせが報告されています。

花粉食物アレルギー症候群の症状は、主に口や喉の粘膜に現れます。

症状の程度には個人差がありますが、どのような症状が出るのか知っておくことで早めに気づくことができます。

生のトマトを食べた後、以下のような症状が出ることがあります。

唇や口の中がかゆくなる、喉がイガイガする・違和感がある、唇や舌・口の中が腫れる、口の中がピリピリ・ヒリヒリする、喉が詰まったような感じがするといった症状が代表的です。

症状は食後15分以内に現れることが多く、多くの場合は15〜30分程度で自然に治まります。

軽い症状のため「気のせいかも」と見過ごされているケースも少なくありません。

花粉食物アレルギー症候群は口腔内の症状にとどまることがほとんどですが、まれに全身に症状が広がることがあります。

鼻水・くしゃみ、目の充血、全身のじんましん、腹痛・下痢・嘔吐、せき・喘息・呼吸困難などの症状が出る場合は注意が必要です。

さらに重症化すると、血圧低下や意識障害を伴うアナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。

症状が軽いからといって繰り返し食べ続けると重症化するという報告もあるため、違和感がある場合は無理に食べ続けないことが大切です。

「トマトで症状が出るなら、もう食べられないの?」と心配になる方も多いでしょう。

しかし、調理方法によっては食べられる場合があります。

花粉食物アレルギー症候群の原因となるアレルゲンは、熱に弱く消化酵素でも分解されやすい性質があります。

トマトに含まれるアレルゲンも加熱処理によって変性(形が変わる)するため、加工品では症状が出にくくなります。

生の新鮮なトマトを口にしたときにだけ症状が出て、加熱調理したトマトでは問題ないという方は多くいます。

加熱の程度によって症状の出やすさが変わります。

生トマトは症状が出やすく、トマトジュースやケチャップは多少症状が出ることもあり、煮込んだトマトソースやトマトスープは症状が出にくい傾向があります。

「生のトマトサラダを食べると口がかゆいけれど、ピザのトマトソースは大丈夫」という方も少なくありません。

ただし、加熱しても症状が出る方や、ジュースでも反応する方もいるため個人差があります。

心配な場合は少量から試すか、医療機関に相談することをおすすめします。

トマトを食べて口がかゆくなる原因は、花粉食物アレルギー症候群だけではありません。

「仮性アレルゲン」と呼ばれる物質が原因のケースもあります。

仮性アレルゲンとは、食品自体に含まれている化学物質がアレルギーに似た症状を引き起こすものです。

通常の食物アレルギーは体内で免疫反応が起こりますが、仮性アレルゲンは食品中の化学物質が直接体に作用して症状を引き起こします。

トマトにはヒスタミン・アセチルコリン・セロトニンなどの仮性アレルゲンが含まれています。

トマトの汁が口の周りについただけで皮膚が赤くなったり、かゆくなったりするのは仮性アレルゲンの影響である可能性があります。

仮性アレルゲンによる症状は、花粉症の有無に関係なく誰にでも起こりえます。

大量に食べたときに症状が出やすい、毎回症状が出るわけではない、症状が軽く1時間以内に治まることが多いという特徴があります。

花粉食物アレルギー症候群(免疫反応)と仮性アレルゲン(非免疫反応)のどちらが原因かを正確に判断するには、医療機関での血液検査が有用です。

自己判断せず、症状が気になる場合は医師に相談しましょう。

トマトを食べて口や喉に違和感を覚えたら、どのように対処すればよいのでしょうか。

症状の程度に応じた対処法を知っておくと安心です。

口の中がかゆい程度の軽い症状であれば、以下の対処で様子を見ることができます。

まず、口の中にトマトが残っている場合は吐き出し、うがいをして口の中を洗い流しましょう。

花粉症の方で抗ヒスタミン薬(アレグラ、クラリチンなど)を持っている場合は服用することで症状が和らぐことがあります。

多くの場合、15〜30分程度で症状は自然に治まります。

症状が治まっても、原因となったトマトは当面避けた方が安心です。

以下のような症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診してください。

全身にじんましんが広がる、呼吸が苦しくなる・息がゼーゼーする、顔や喉が大きく腫れる、意識がもうろうとする、血圧が下がるといった症状はアナフィラキシーの兆候です。

症状が急速に悪化している場合は迷わず救急車を呼びましょう。

過去に重い症状が出たことがある方は、医師と相談のうえエピペン(アドレナリン自己注射)の携帯を検討することも大切です。

「トマトを食べると何となく違和感がある」という場合、アレルギーかどうかは医療機関で調べることができます。

花粉食物アレルギー症候群の診断には、問診と検査が行われます。

血液検査(特異的IgE抗体検査・RAST)では、トマトや花粉に対するIgE抗体の有無を調べます。

皮膚プリックテスト(prick-to-prick test)では、生のトマト果肉を使って皮膚の反応を観察します。

さらに詳しく調べる場合は、専門医療機関で食物経口負荷試験(実際にトマトを食べて症状を確認する検査)が行われることもあります。

受診の際は「どの食べ物で」「どんな症状が」「どこに出たか」をメモして持参すると診察がスムーズです。

トマトによるアレルギーが疑われる場合は、アレルギー科、内科、耳鼻咽喉科、皮膚科などを受診しましょう。

検査内容は医療機関によって異なるため、事前に問い合わせてから受診することをおすすめします。

特に花粉症の治療を受けている方は、主治医に症状を伝えて相談するとよいでしょう。

花粉食物アレルギー症候群は、トマト以外にもさまざまな花粉と食品の組み合わせで起こることがあります。

花粉の種類によって、交差反応を起こしやすい食品が異なります。

花粉の種類交差反応を起こしやすい食品
スギ・ヒノキトマト(ナス科)
ハンノキ・シラカンバリンゴ・モモ・サクランボ・ナシ(バラ科)、大豆(特に豆乳)、キウイ、ヘーゼルナッツ
イネ科(カモガヤ・オオアワガエリなど)メロン・スイカ・トマト・キウイ
ブタクサメロン・スイカ・バナナ

自分の花粉症の原因がわかっている場合は、関連する食品にも注意を払っておくとよいでしょう。

花粉症ならトマトを食べない方がいい?

花粉症があるからといって、全員がトマトで症状を起こすわけではありません。

スギ花粉症の方でも問題なくトマトを食べられている方は多くいます。

症状が出ない方は無理に避ける必要はありません。

ただし、過去にトマトを食べて口がかゆくなったことがある方は、生のトマトは避けるか、加熱調理したものを食べるようにした方が安心です。

子どもがトマトで口をかゆがるのは花粉症?

お子さんがトマトを食べて「口がかゆい」と訴えた場合、花粉食物アレルギー症候群の可能性があります。

小さなお子さんは症状をうまく伝えられないこともあり、「トマトが嫌い」と言っている場合でも、実はアレルギーが原因だったというケースも報告されています。

症状が繰り返し出る場合は、小児科やアレルギー科を受診して検査を受けることをおすすめします。

花粉シーズン以外でも症状は出る?

花粉食物アレルギー症候群の症状は、花粉シーズン以外でも出ることがあります。

ただし、花粉が飛散している時期は症状が悪化しやすい傾向があります。

花粉シーズン中は特に注意し、症状が気になる場合は原因となる食品を避けた方がよいでしょう。

トマトを食べ続けると重症化する?

症状が出ているにもかかわらず繰り返しトマトを食べ続けると、重症化するリスクがあるとされています。

「軽い症状だから大丈夫」と思って食べ続けることは避けましょう。

症状が出たら一度食べるのを控えて医療機関に相談することをおすすめします。

スギ花粉症の方が生のトマトを食べると、口の中がかゆくなったり喉に違和感を覚えたりすることがあります。

これは「花粉食物アレルギー症候群(PFAS)」と呼ばれ、スギ花粉とトマトのアレルゲンの構造が似ているために起こる交差反応が原因です。

症状は口や喉の粘膜に限られることが多く、15〜30分程度で自然に治まるケースがほとんどですが、まれに重症化することもあるため注意が必要です。

トマトのアレルゲンは熱に弱いため、加熱調理した料理や加工品なら食べられる場合があります。

花粉症があっても症状が出ない方は避ける必要はありませんが、違和感がある場合は自己判断せず医療機関で検査を受けることをおすすめします。

症状が重い場合や全身に広がる場合は、すぐに医療機関を受診してください。

権東 容秀 医師

監修医師

権東 容秀 医師

東京医科大学卒。形成外科・皮膚科医師。専門はアトピー性皮膚炎、創傷外科、熱傷、美容一般。

  • 日本形成外科学会 専門医
  • 日本形成外科学会 領域指導医
  • 日本形成外科学会 皮膚腫瘍分野指導医
  • 日本皮膚科学会 専門医
  • 日本熱傷学会 専門医
  • 日本創傷外科学会 専門医